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【ゲストトーク】まとめ
難民映画祭の期間中は様々なゲストをお招きしトークイベントを行いました。
こちらからレポートをご覧いただけます。
・斉藤勇城さん(NHK文化福祉番組部ディレクター)
「南スーダンの女性は美しく、才能あふれているにも関わらず難民であるということを理由に、その才能を発揮する場がなかった。それを変えるための試みの1つが、このミス・マライカというコンテストです。」
・ダナ・ケイラニさん(ボーダー主演)
「世界には5100万人の難民がいて、そのうちの300万人がシリア人です。こういった事実を広めて、話し合ってほしいと思います。または寄付を募ることもできます。ただこういうことが起きている、その事実についてまず知って、話し合ってほしいと思います。犠牲になっているのは子供たちで、私たちの未来です。」
・オリバー・ペルコビッチさん(スケーティスタン創設者)
「世界の若い人には、自分とアフガニスタンの子どもとの違いではなく、自分たちとの共通する部分に目を向けて欲しいと思います。」
・金井昭雄さん(株式会社富士メガネ代表取締役会長)
「アゼルバイジャンで教師をしている国内避難民の女性に出会いました。彼女は視力が悪く、教科書などの教材が読めず教師の仕事を続けることができないのではないかと困っていました。でも、メガネを贈ったことによって、この先生が教師を続けることによって子どもたちが教育を受けられ、将来のアゼルバイジャンを支えることにもつながると感じ、大変嬉かったです。」
・久保眞治さん(UNHCRダマック事務所長)
「まず日本の方々には心の垣根を取る努力をしていただきたいと思います。また、日本人は不信を信頼に、対立を協調に変えることが得意なように思います。なんらかの形で難民のこと、彼らのために何ができるのかを考えてほしいと思います。こうした映画作品に触れることは、近くの人道問題について考えるチャンスだと思ってほしいと思います。」
・北澤豪さん(サッカー元日本代表)
「チームメイトの中に自分の家族の虐殺に関わった人がいるかもしれないという困難な状況の中で、チームとして一つの目標に向かっていることに驚き、感心しました。サッカーそれ自体が人の気持ちを変えるのは難しいと思いますが、サッカーをきっかけにして人間同士で内面の問題を解決していくということこそ重要だと感じます。」
・若松英治さん(JICA)とアリ・ジャンさん
若松さん 「知ることが大事だと思います。彼の存在を誰も知らないという状況が、彼を追い込んだという部分もあると思います。1人でも多くの方に今日知ったことを話していただきたいと思います。まずはできることから始めることが重要だと思います。」
アリ・ジャンさん 「一人ひとりが心で感じて、何ができるのか考えてほしいと思います。日本に安全を求め、いきなりやってくる人たちを助けてほしいと思います。」
・溝辺泰雄准教授(明治大学国際日本学部)
アフリカ研究がご専門の溝辺准教授は『FCルワンダ』の上映後にルワンダの概要について解説して下さいました。さらにルワンダの大虐殺の解釈についても単純にツチ対フツという民族の対立ではなく、政治活動の手段として部族対立が利用されたという見方について話されました。また、紛争の要因は民族や宗教だけでなく、貧困、不平等、汚職など、多角的に検証する重要性について語りました。
・上川あやさん(世田谷区議会議員)
「セクシャルマイノリティーの難民に対するカナダ政府の手厚い支援が実感できて、とても感動的でした。また、印象的だったのはLGBTを支援するカナダの市民社会や市民団体の様々な活動でした。自分も当事者であるため、この映画を観ることで、自分自身の大変だった経験を思い出しました。日本はまだセクシャルマイノリティーの社会生活の支援の面において、足りないところが多いのが現状です。」
詳しいレポートは
こちら
・若松英治さん (JICA)
「緒方貞子さんも緊急支援と開発をつなげる重要性を説いておられました。紛争が再発しないように開発という分野で貢献できることがあると感じます。例えば民族紛争に対しては、紛争終結後に再度民族間の溝ができないような方法でコミュニティ開発を進めるなどの視点が大切だと思います。」
詳しいレポートは
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・落合直之さん(JICA)と中尾秀一さん(RHQ)
落合さん 「いかに人権を守るべきなのかということが問題だと思います。具体的には何らかの身分証明を与えることが重要だと思います。あなたが誰なのか、どこで生まれたのか、そういった身分を誰かが証明しない限り人権も守られない。この問題はフィリピン、サバの問題だけでなく日本も含めた世界中の問題だと思います。」
中尾さん 「日本が少数の人が持つ文化を尊重する社会になっていない。国籍の問題を解決した先には、(無国籍者が)どのように自分のアイデンティティ、ルーツに誇りをもてるのか、という問題があります。これは制度の問題ではなく、彼らを受け入れる日本社会が多様な文化を尊重できるかというところにかかっていると思います。」
・リングホーファー・マンフレッド教授(大阪産業大学)と山内麻紀子さん(RHQ)
リングホーファー教授 「ブータンが幸せの国であるというイメージはメディアが作り上げたものです。日本に限らず、世界中でブータンを取り上げるとき、研究者でさえ国王の民族だけを紹介してきた経緯があります。これはひとつの問題だと言えます。」
山内さん 「日本は1万人以上のインドシナ難民を受け入れたという歴史があります。アジア福祉教育財団難民事業本部は、難民の定住先の社会への適合、行政手続き、日本語の勉強、就職支援などを行なっています。日
本にきた難民も、映画に出てくる人と同じような経験をしています。国は違えど、国外に逃げる難民は共通した課題をもっていると感じます。」
ご協力いただいた皆様ありがとうございました!
Photo (C)UNHCR