第8回UNHCR難民映画祭は、2013年9月28日(土)-10月6日(日)まで開催します。|8th UNHCR Refugee Film Festival will take from28 September(Sat) - 6October(Sun), 2013.

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第9回UNHCR難民映画祭。詳細につきましては、随時この公式サイトにてお知らせいたします。みなさまのご来場を心よりお待ちしております。

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2014年10月16日 16:19

2014

【ゲストトーク】スケーティスタン創設者オリバー・ペルコビッチさん


10月12日(日)『スケーティスタン』上映後にスケートボードでアフガニスタンの子どもの教育支援を行う「スケーティスタン」創設者のオリバー・ペルコビッチさんを招いてトークイベントを行いました。
(オリバー・ペルコビッチさんの詳しいプロフィールはこちら

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―今回改めて映画の中のご自身、ボランティアやスタッフ、子どもたちの姿をご覧になっていかがでしたか?
「こうして当時の子どもたちの様子を見ることが出来るのは感慨深いですね。映画に出てきた子どもの一人、ノルザイは噴水で会った当時はまだ8歳でした。彼は路上で暮らすストリートチルドレンだったので汚い服を着ていて、体中傷だらけでした。でも今ではスケーティスタンが展開しているマザリシャリフでスポーツコーディネーターを務めるようになり、子どもたちにスケートボードを教えています。ミーティングで彼が一生懸命ノートを取っている姿を見かけると、その変化に驚かされますね。」

―なぜスケーティスタンを始めようと思われたのですか?その経緯は?
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「アフガニスタンに到着して一番驚いたことが女性に教育と就労の機会がないことでした。また、アフガニスタンでは、数ヶ月から数年の短期的なプロジェクトが多いことにも疑問を抱きました。人口の半分は15歳以下の子どもたちであるアフガニスタンでは、少なくとも10年以上のプロジェクトを行う必要があると思いました。子どもたちを長期的に育てていくことが大事だと思ったのです。そして外国から資金を送るだけではアフガニスタンのためになりません。それよりも、アフガニスタン人自身が主体性をもって活動に取り組むことが重要なのではないかと思ったのです。」

「最初は他のプロジェクトを批判していましたが、批判するだけでは何も変わらないと思ったのです。それで自分にできることを始めようと。いざアフガニスタンに着くと、それまで本で読んだアフガニスタンとはまったく違いました。やはり自分の目で見て、実際に肌で感じないと分からないことが多いですね。」

「アフガニスタンでは、多くの場合外国人は重装備をして車で移動しますが、僕は街を徒歩で移動していました。今思えば、むしろ重装備している人々よりもテロの標的にならないという意味で安全だったと思います。言葉が通じず、お互いを理解することが難しい状況下でも、自らの足で歩くことでアフガニスタンの人々とより深い関係を築けたと思います。」

―最初からこのプロジェクトは成功すると思いましたか?プロジェクトを成功させる秘訣は?
「最初は成功するなんて思いもしませんでした。周りにもこんな型破りなプロジェクトをやろうとするなんて、頭がおかしいんじゃないかって言われましたね。成功の秘訣は人々の主体性を高めていくこと。映画に出てきた子どもたちの中には今やスタッフや先生となり、自ら積極的にこのプロジェクトに関わっている子どもたちもいます。お金のためではなく、自分が貢献したいという情熱が一番重要なんだと思います。」

―プロジェクトを進めていく上で困難だったことやうれしかったことは何ですか?
「最も困難だったのは安全面ですね。2012年には自爆テロで4人のスタッフが命を落とし、その前の年にも3人の女の子たちがテロに巻き込まれて怪我をしました。多くのストリートチルドレンは軍の関連施設など、軍人からお金がもらえる所に行くことがあり、こうしたテロに巻き込まれることがあるのです。でも、だからこそ弱い立場にある子どもたちと関わっていくことが大事だと思います。一番うれしいことは、子どもたちの人生の変化を目の当たりに出来ることですね。いま、スケーティスタンの子どもたちは若者のリーダーとなり世界中を飛び回っています。たとえば、アブドゥルは韓国で潘基文国連事務総長に会い、マディナはUNHCRを通じて2000人が参加するような大きな国際会議に出席し、スルマンはアフガニスタンの新しい大統領に会いました。スケーティスタンがきっかけとなり子どもたちが次のステップに進んでいることがうれしいです」

【会場からの質問】

―アフガニスタンに行ったきっかけは?
「当時の付き合ってた彼女がアフガニスタンに行くことになったので付いて行ったんです。」

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―プロジェクトを始めた時と今でアフガニスタンの教育環境は変化していますか?また、マララ・ユスフザイさんのノーベル平和賞受賞はどのような影響をもたらすでしょうか?
「プロジェクトが始まる前は女子の就学率が3%でしたが、今は20%まで上がりました。教育環境は改善はされてきていると思います。学校に行く子どもを増やしていくことが大事だと思います。その子どもたちが成長して家族を持ったとき、自分の子どもにも学校に通わせようと思うはずですから。」

「マララさんのノーベル平和賞受賞はアフガニスタンにとっても希望であり、世界の就学率が上がることにつながっていくと思います。多くの社会的なムーブメントの活力となる素晴らしい機会を与えてくれたと思います。」

―支援活動を進めていく上で理想と現実のバランスを保つには?
「うーん、難しい質問ですね。僕自身は今の仕事に就くことができてラッキーだと思っています。世界中に情熱を持って仕事をしている人がいますが、情熱だけではうまくいかないと思います。組織をマネージメントするためにはたくさんのことを学ばないといけないし、多くの人に支えられ実際に事業を運営させるといった実践的なスキルも重要になる。また、資源や情報などのリソースを効率的に運用する方法がないと現実的なプロジェクトにはなりません。」

【観客へのメッセージ】

「今日こうして会場に来てくださりスケーティスタンに興味を持ち、たくさんの質問をしていただけたことに感謝します。世界の若い人には、自分とアフガニスタンの子どもとの違いではなく、自分たちとの共通する部分に目を向けて欲しいと思います。」

オリバーさんどうもありがとうございました!

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たくさんのご来場ありがとうございました!

Photo: (C)UNHCR

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