国連UNHCR難民映画祭2017

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福岡上映(レソラNTT夢天神ホール)11/4 進藤ブラーテン美生さんによるトークイベントレポート

2017年11月28日

新着情報

11月4日(土)レソラNTT夢天神ホール(福岡)にて「ナイス・ピープル」の上映後、UNHCRボスニア・ヘルツェゴビナ事務所にて勤務されている進藤ブラーテン美生さんによるトークイベントが開催されました。司会は協会の難波が務めました。

11月4日(土)レソラNTT夢天神ホール(福岡) UNHCRボスニア・ヘルツェゴビナ事務所勤務 進藤ブラーテン美生さんによるトークイベント

進藤さん:
「この映画ではシーンというより、出演者の発言の数々が印象に残りました。難民の一人がスウェーデンの良いところはと聞かれ、ここには未来があることと答え、選手を応援するスポンサーが、移民はゴミではなく人間なのだと発言します。
しかし一方で受け入れる住民側が、難民の地元スポーツへの取り組みは、努力ではなくジョークだと思う、と言うなどその温度差が印象的でした」

難波:
「活動の中で難民問題への温度差ということで感じられたことはありますか」

11月4日(土)レソラNTT夢天神ホール(福岡) UNHCRボスニア・ヘルツェゴビナ事務所勤務 進藤ブラーテン美生さんによるトークイベント

進藤さん:
「例えばミャンマーで迫害を受けバングラディシュに逃げるロヒンギャ難民のことは最近のニュースで知られ関心も高まりました。しかし実はこの問題は10年、20年前からあったのです。
これからニュースで取り上げられなくなると温度が下がってしまうかもしれません」

難波:
「進藤さんは以前UNHCR駐日事務所でどのようなお仕事をされていましたか」

進藤さん:
「日本には難民とされる方が約1万4000人もいます。様々な国籍や背景を持った方たちのコミュニティに行ってお話しを聞き、NGOや地方自治体の皆様と協力して、悩みを解決する努力をするということをしていました。一番多いのはインドシナ難民の方たちですが、実はソマリアから来た方もいらっしゃいます。日本ではそういう方たちと触れ合う機会が少ないという問題があります」

難波:
「現在、UNHCRボスニア・ヘルツェゴビナ事務所ではどのようなお仕事をされていますか」

進藤さん:
「2015年の欧州難民危機で来られた最近の人々には難民認定審査にかかる手続きの支援を行い、過去の紛争時に被害に合われた方々には戦後の生活再建にかかるアドバイスや法的支援を行っています。ボスニア紛争は1992年から1995年にかけて起こりそれから22年はたちますが、難民が普通の生活に戻るには長い時間がかかり支援も長期的なものとなるのです」

難波:
「本日参加の方たちの中にも難民支援に関心はあるものの何から始めていいか分からないという方も多いと思います。アドバイスをいただけますか」

進藤さん:
「映画の中でもソマリア人に対し差別的な発言もありましたが、人々はどうしても難民というものはこういうものだと決めつけがちです。しかし難民というのは一括りの肩書ではなく、一時的にこのような状況にならざるを得なかった状態のことであり、そこに一人ひとりの人間がいることを知ることがまず必要です。具体的な支援としてまずは寄付があると思います」

難波:
「若い方たちにはインドシナ難民、ボスニア紛争など馴染みがないかもしれませんが、ぜひ検索するなどして知ってもらいたいですね」
進藤さん「この難民映画祭に参加するように、まず自らが、知る、きっかけを創ることをしてもらえたらと思います」