国連UNHCR難民映画祭2017

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広島上映(広島国際会議場)11/12 李 鐘根(イ・ヂョングン)さんによるトークイベントレポート

2017年11月27日

新着情報

11月12日(日)広島国際会議場(広島)にて「シリアに生まれて」の上映後、被爆体験証言者として活動されている李 鐘根(イ・ヂョングン)さんのトークイベントが開催されました。

東京上映(渋谷ユーロスペース)10/6 ティル・シャウダー監督&プロデューサー:サラ・ノジューミさんによるトークイベント

「私は広島の資料館で原爆体験の語り部をしています。8月6日の朝、原爆に曝され服から露出した肌がすべて焼けただれ、その場に伏した私は死ぬということまでは意識しなかったのですが、今日この映画を観てこの人たちは死を境として生きているのだなと感じました。

私は2012年にヨルダンのアンマンでパレスチナ難民の方たちと交流する機会がありました。そこで90歳近い方が息も絶え絶えになりながら平和になったらここに帰れるのだと土地の権利証を手にしながら話していました。
その後に子どもたちの勉強風景を見たのですが、そこにいる子どもは4世ということでした。私にとっては曾孫の世代です。彼らはそんなに長い間ヨルダンで難民として生活をしているのです。映画の中で人々はふたたびシリアに戻るか分からないと言っていましたが、お会いした人たちはパレスチナに帰ると言っていました。しかし中東ではイスラエルの占領地に帰ることは全くできません。

今朝耳にしたのですが、UNHCRによってアンマンから100キロ離れたところ、3万人ぐらいの難民がいる場所に太陽電池による発電所ができたと聞きました。半数ぐらいの人が冷蔵庫やテレビなど家電を使い、携帯の充電を行っているとのことです。約10億円かかった援助資金は家具メーカーのイケアが出したということで、これはすごいことだと思いました。
またユニクロが古着を配ったということも聞き、私自身もっと協力すべきだとも考えました。ただ配給という点で私たちと別のグループが難民に援助物資を届けたのですが、最初は規律正しく並んでいた人たちが突然我先に奪い合いになってしまったそうです。人間の良心というものが明日の糧を求める中で問われるのだと思いました。

ヨルダンのある政府高官はこの国に来て難民の話はもうしないでほしいと言ったそうです。そのぐらいこの国は難民を受け入れてきたのです。バスで案内されてアンマンの街中をめぐるとそこかしこに難民の家がありました。この映画で難民の姿を見て、私が被爆で感じた想いと難民の生活に相通じるものを感じ涙が出てきました。
すでに7年もたつシリアの難民のことを考えるとき、つくづく何かをしなければならない、私のような被爆者をつくってはならない、核の廃絶ということと、この難民のことをもっとよく知らなければならないということを感じました。

いま私は子どもたちに被爆者の説明をするスライドに難民キャンプの写真を入れるようになりました。子どもが理解するには難しいでしょうが、こういう事実があったのだということ、難民がどれだけ苦しんでいるかといことを説明しているのです。
私はこれからもこの話を続けてまいります。皆さんも一緒にUNHCRの活動を考え支えていただければと思います」