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大阪上映(大阪ナレッジシアター)10/29 三角梢恵さんによるトークイベントレポート

2017年11月17日

新着情報

大阪上映(大阪ナレッジシアター)10/29 三角梢恵さんによるトークイベント

10月29日(日)大阪ナレッジシアターにて「シリアに生まれて」の上映後、JICA青年海外協力隊事務局 国内協力員三角梢恵さんによるトークイベントが開催されました。司会は協会広委員の松田が務めました。

アバヤという中東の民族衣装をまとった三角さんはまず映画の感想を聞かれ「シリアの子どもたちは内戦により、本来経験しないですむはずだったことを現実として容赦なくつきつけられている、それをしめす映画だったと思います」と述べ、続いていくつもの写真で内戦が始まる前のシリアの美しいモスク、パルミラ遺跡、平和な街の風景、豊かな土地などを紹介しました。現地で乗ったタクシーのドライバーの方からいきなりレタスをいただいたことなどのエピソードを交え、いかにシリアの人々がもてなしの心を大事にしているかを語ります。

三角梢恵さんによるトークイベント

「シリアにいる間、毎日のように『アハラン・ワ・サハラン(ようこそ)』というアラビア語を聞いていました。シリアの一番の魅力は、そこに住む人々にあるなと私は感じて過ごしていました。シリアの子どもたちはとても人懐っこく好奇心も旺盛です。彼らは私に「なに人?」と聞いた後『あなたのお父さんとお母さんの名前は?』と聞いてきます。なぜだろうと思ったのですが、一緒に過ごすうちにシリア人は家族をとても大事にしていることに気づきました。彼らは私と同様、私の家族も身近に感じてくれるのです」
「道を歩いている途中、道端にいるお母さんが私を呼び止めます。まずお茶をすすめられ、会話が始まり、そして家に招かれ手作りの家庭料理がふるまわれます。見知らぬ外国人の私を、今日からあなたは私たちの家族だといって温かく受け入れてくれるのです。毎日活動からの帰途にはそのような交流がありました。」

シリアでの活動の後、三角さんは難民キャンプで働くようになります。そこでの写真も紹介されました。
「これは難民の子どもたちが創った作品です。いつか平和になったらシリアに戻ろうという想いで描かれたシリアの光景です。悲惨な状況を経験した子どもたちですが、とてもカラフルな色使いを見てください。彼らの天性の明るさを表すようです。」
三角さんはキャンプでの活動の最終日にシリア人のお母さんからもらった言葉を覚えています。「もし日本であなたが、私たちがシリアに帰れるというニュースを聞いたならば、風にのせて千のおめでとうを届けてほしい。シリアと日本は遠く離れているけれど、風にのせた言葉はきっと届くから。これからのあなたの人生も幸せであるように。シリアに私たちが戻ったらぜひ遊びにきてほしい、美味しいお茶とごはんで楽しい時を過ごしましょう」
最後に三角さんからメッセージがありました。「平和というのはたゆまぬ努力を続けなければ壊れてしまうものだと感じています。今日映画を観て、それぞれの方がいろいろな想いをお持ちになったと思います。ぜひ今日感じたことをご家族、ご友人など、大切な周りの方に伝えてください。」