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2017年11月07日
新着情報
「シリアに生まれて」の上映後、JICA青年海外協力隊で活動された鈴木雄太さんをお迎えしてトークイベントが開催されました。司会は協会の難波が務めました。
鈴木さん:
「この映画の中に、もしかしたら誰か知っている人が映っているのではないかと不安になりながら観ていました。子どもたちが死体や殺されている絵を描くシーンがありましたが、私自身も難民キャンプで子どもがそのような絵を描くのを見たので、強く印象に残りました」
難波:
「鈴木さんがシリアに行かれたきっかけは何だったのでしょう?」
鈴木さん:
「それまで海外旅行に行ったこともなかったので、自分の足で、目で中東の人たちを知りたいという想いでJICAの海外青年協力隊の一員として現地に行きました。シリアでは自分が小さい頃からやっていたバトミントンを教えました。サッカーやバスケに較べバトミントンは人気がなかったのですが、自分の関わった人たちに徐々に知っていただきました。」
難波:
「その後日本に戻られ就職もされましたが、また中東に戻られたのですよね。」
鈴木さん:
「自分がシリアにいた時、東日本大震災が起きました。シリアの人々は初対面にも関わらず心配をしてくれ、その時彼らの暖かい心に触れました。その後「シリアの春」が起きたため帰国し就職をしたのですが、やはりシリアの人々に何かしたいという想いが強く、退職しヨルダンのザータリ難民キャンプに行くことを決意しました。
私はそこでスポーツ、音楽、図工を担当しました。難民の子どもは目の前で家族などが殺され、その状況をうまく言葉で表現できません。すこしでも彼らの気がまぎれ表現できる環境を創れればと思ったのです。」
難波:
「現在、大学で心理学を勉強されているのはその経験があるからなのでしょうか?」
鈴木さん:
「片足を失った少年が私に「この足は生えてくる?」と聞いてきた時、私は言葉を失いました。彼は私に何と言って欲しかったのか、私は何と声をかければよかったのか、そういうことを知りたくて心理学を学んでいます。将来は小学校の先生になりたいと思っています。」
難波:
「本日ご参加の方々の中にも難民支援に関わりたいけど、どのようにしたいか分からない方もいると思います。何かアドバイスはあるでしょうか」
鈴木さん:
「旅行先または日本で彼らと出会った時、一緒に折り紙をつくるなど触れ合う機会を作ってみてください。国連UNHCR協会を通じた寄付もキャンプの運営などに大切です。またユニクロの服のリサイクルもお願いします。雪が積もる厳しいシリアの冬を過ごすためユニクロの服は大変ありがたいのです。」
鈴木さんから最後にメッセージがありました。「今日皆さんが聞いた話を他の人々に発信してください。子どもたちが将来の夢を描けるようになるためぜひご協力お願いします。」