代表よりご挨拶

代表よりご挨拶

第10回UNHCR難民映画祭へようこそ。

今年の映画祭は10周年という記念すべき節目となる年の映画祭として開催できることを誇りに思います。これもひとえに、これまでこのイベントを支えてきてくださった皆様方のおかげと、深く感謝しております。

毎年これほどまでに多くの方々が難民や国内避難民、無国籍者たちの物語を描いた映画に関心を持って頂けている事に触れて嬉しく思います。
私たちが2006年にこの映画祭を始めた頃、世界における国外へ避難を余儀なくされた人々と国内で故郷を追われた人々の数はおよそ4000万人と言われていました。その10年後、その数が6000万人近くに達する事になると一体誰が想像できたでしょう。今日、紛争や迫害、恒久的な暴力や人権侵害によって住む場所を追われる人々の総数は史上最大だと言われています。またこの数字は一年間で増加した人数という意味でも過去最高のものです。

このように移動を強いられる人々が世界のどこかで苦しみ続ける限り、私たちはそうした人々のことについての啓発を続けます。そして映画というメディアを通じて、より多くの人々の理解を得る事ができると信じています。

UNHCR難民映画祭の10周年を記念して、私たちは是非皆さまと一緒に世界約6000万にものぼる移動を強いられた人々の力強さとレジリエンスを称えたいと思います。私たちは映画を観ることによって自ずと問いかけることでしょう。移動を強いられた人々を、また彼らの流出先の国々や受入れ先の社会を支援するためには、何がより必要とされているのか、何が為さなくてはならないのか、と。私たちの連帯意識、そして人々に対する避難場所と保護は足りているのか、と。これまで以上に私たちは問わなくてはならない時代にいるのです。私たちは十分に手を差し伸べているのか、と。

それでは映画をどうぞお楽しみください。ありがとうございます。

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UNHCR駐日代表
マイケル・リンデンバウアー