東京で記者会見、プレ上映開催
UNHCR難民映画祭2018の特設ウェブサイトオープンと事前申込が開始となった8月1日、日本記者クラブで記者会見とプレ上映会が開催されました。記者会見には、UNHCR駐日代表のダーク・ヘベカー、国連UNHCR協会の事務局長である星野守、同協会の法人・渉外担当、鈴木夕子が登壇しました。
「この映画のスターはハリウッドスターではなく移動を強いられた人たちです」と駐日代表ダーク・ヘベカーは挨拶を始め、増え続ける難民の現状を伝えると共に、「難民映画祭は難民支援の現場との距離感を縮めます。観ることによってその思いを行動に移してもらいたいと願っています」と締めくくりました。
事務局長の星野守からは、世界で家を強制的に追われた人たちの数は6850万人という説明があり、「1人でも多くの方に、難民問題に向き合っていただく、知っていただくことが全ての第一歩ではないかと思っています。向き合わなければ何も始まらない」というメッセージを届けました。
UNHCR難民映画祭2018のテーマは「観る、という支援。」このテーマについて、法人・渉外担当の鈴木夕子が説明しました。「難民をテーマにした映画というとハードルが高くて気軽に参加しにくいというイメージがあるかと思います。しかし、上映する作品は難民について普段関心のない人を引きつける力がある作品ばかりです。まずは映画に興味を持っていただいて、映画を観ることが支援の第一歩というメッセージを込めてこのテーマにいたしました。」また、今年の開催地は、東京、札幌、名古屋の3都市ですが、難民映画祭パートナーズという枠組みを2018年8月1日から2019年7月31日まで展開し、全国に映画祭を広めていくことを目指していくことが発表されました。
今年の上映作品は4作品が日本初公開、2作品が過去の難民映画祭でのアンコール上映です。
会場からは、『アレッポ 最後の男たち』をアンコール上映に選んだ理由について質問がありました。その理由は、昨年の難民映画祭で非常に高い評価を得たこと。そして、今年の第90回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門でノミネートされた話題性があること。何より、シリアでの紛争が現在も続いているということが説明されました。
記者会見の後には、映画祭のオープニング上映を飾る『ソフラ 〜夢をキッチンカーにのせて〜』のプレ上映が行われました。得意な料理で自立するために奮闘するパレスチナ難民の女性、マリアムを追ったドキュメンタリーです。彼女を中心にシリア難民、イラク難民の女性たちが集い、夢の実現のために生きる姿が、スクリーンに鮮やかに映し出されていきます。上映終了後には大きな拍手が沸き起こりました。「自分たちの夢を叶えて健康で幸せになっていくというその力強さを難民の女性に教えていただきました」、「尊敬の念と夢と希望がすごく詰まった映画」、「難民問題はもちろん、女性の強さや社会進出を目の当たりにできた映画で、ポジティブな気持ちになりました!」という笑顔の感想で会場が満たされました。また、映画に登場するおいしそうなアラブ料理の数々を「ぜひ食べてみたい!」という声も多く寄せられました。
『ソフラ 〜夢をキッチンカーにのせて〜』は全国3都市で上映いたしますので、ぜひご覧ください。
作品情報 ⇒『ソフラ 〜夢をキッチンカーにのせて〜』
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