東京で記者会見、プレ上映会開催
9月5日(月)、日本記者クラブで記者会見とプレ上映会を行いました。
まず最初にダーク・ヘベカーUNHCR駐日代表が、11年目の開催を迎える難民映画祭への理解と関心が高まり、パートナーが年々増えていることに感謝の意を述べました。
そして世界には紛争や迫害で家を追われた人が6500万人以上おり、この人数が今年末には7000万人に達する可能性があるという厳しい現状訴えました。
また「難民映画祭を通し、難民が私達と同じようにひとりの人間として希望や夢を抱いている人であることを多くの人に知っていただくと同時に、その逞しさにも触れてもらいたい」と映画祭に込めた思いを語りました。
続いて国連UNHCR協会の滝澤三郎理事長が挨拶し、ちょうど一年前のこの時期、トルコの海岸に遺体となって打ち上げられたシリア難民の男の子の写真に大きな注目が集まったことに触れました。その後も地中海で命を落とす人が絶えない現状、また多くの難民が怒りや不安を抱えながら避難生活を送っている状況に対するより一層の理解を訴えました。
そして「映画を通して、難民がどのような覚悟や思いを持って、避難しているのかを感じ、自分の事として捉えるきっかけにしていただきたい」と話しました。
次に今城大輔UNHCR難民映画祭プロジェクト・マネージャーが、今年の映画祭の概要を説明しました。今年は初めて大阪開催が決定し、計4都市で13作品を上映することや、昨年から始まった「学校パートナーズ」への参加校が16校に増えたことなどを伝えました。
映像作品の傾向としては全体的に欧州が舞台の作品、なかでも地中海を渡って欧州へと逃れる人々の姿を描く作品の応募が年々増えていると説明しました。また「難民を受け入れる側の戸惑い」など難民を撮影対象者として捉えるというよりも、映像作家自身が難民を自分の問題として捉えている姿勢が伺えると話しました。
また『海は燃えている ~イタリア最南端の小さな島~』や『ディーパンの闘い』など、難民、移民がテーマの作品が国際的な映画祭で最高賞を受賞しており、関心が高まっていることにも触れました。
質疑応答の後、映画『ソニータ』のプレ上映が行なわれ、東京での記者会見、プレ上映会は終了しました。来場者からは、「地球規模の課題を身近に捉えることのできる作品」、「人権や平和の大切さを考えるきっかけになった」などの感想が寄せられました。
Photo: (C) UNHCR