作品紹介『罠(わな)~被災地に生きる』
2013年11月、フィリピンの東ビサヤ地方の経済の中心都市、タクロバンを襲った台風は多くの犠牲者と被災者を出しました。そしてタクロバンの街と人々の生活を大きく変えました。この作品は、被災地で撮影されたヒューマン・ドラマです。
舞台はその台風から一年後のタクロバン。被災者の中には未だテントでの生活を送っている人もいます。ある日テントで生活をしていた一家を火災が襲います。必死で消火活動にあたりますが・・。
身近な人の死を弔う間もなく起きる出来事の数々とそれに立ち向かう人たち。
共同墓地の中から3人の子どもの亡骸を見つけ出すためにDNAテストを受け、結果を待つ母。
妻を亡くした後、カトリック教会のグループに入り、十字架を背負いながら町を歩く夫。
そして両親が亡くなったという事実を妹から隠そうする兄弟。
愛する人たちの死と向き合いながら、葛藤し、それでも前へ進もうとする人たちの様子が描かれています。
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[RFFインターン山口さんの感想]
台風による影響の大きさを被災者の普段の生活を通じて伺い知ることができます。実際の被災地で撮影されたこの作品は哀しみの中、生きる人たちの人生が交わる様子とその人たちの感情を映し出しています。細やかな描写を通じて登場人物たちの苦しみが伝わってきます。