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2011年以来、シリア危機によって故郷を後にした数百万人もの人々、その多くは子どもである。ヨーロッパへと向かう長く苛酷な道のりや周辺国の難民キャンプ、あるいはようやくたどり着いた見知らぬ土地で子どもたちは何を想うのか。爆撃により負傷し、家族と生き別れ、子どもとしての時間を奪われ、それでも新たな希望を胸に逞しく生きる7つの小さな命にカメラが丁寧に寄り添う。
その首に多額の懸賞金が掛かるイラン人のミュージシャン、シャヒン・ナジャフィ。ラップやロックにのせて国内の女性に対する弾圧や人権侵害を批判する作品を発表するシャヒン。だがそれによって当局の怒りに触れた彼は死刑宣告を受け、2005年に若き難民としてドイツへと逃れる。日々、暗殺の恐怖と闘いながら音楽活動を続けるシャヒン。やがてヨーロッパで激増する難民のために自分が出来ることを模索するも、パリでは同時多発テロが起き…。
アフリカ各地から暴力や性搾取を逃れ、オーストラリアにやってきた4人の女性たち。現在は仕事や家庭を持って暮らしているが、祖国で受けた心の傷は癒えてはいない。反乱軍によって性奴隷とされたアミナータ、幼い頃に親に捨てられ自分の年齢すらわからないヨーディ。家族にも打ち明けていなかった辛い過去。その体験を舞台にすることにより、周囲の理解と自分たちへの自信を深めていく。女性たちのしなやかな強さを描いた感動作。
世界最大の難民キャンプ、ケニアのダダーブ・キャンプには長期化する祖国の内戦によって帰郷できず、人生の大半を難民キャンプで過ごすソマリア難民が多く暮らす。人々は第三国定住を夢見つつも、難民キャンプで生業に励み、若者たちは教育を受け、未来への希望を繋いで暮らしている。ダダーブ・キャンプの歴史について説明しつつ、難民や支援者、研究者、あるいはアメリカに定住した人々の語りを通じ、ダダーブを取り巻く世界を立体的に見せる。
内戦を逃れ、スウェーデンの田舎町ボーレンゲで暮らすソマリア難民の若者たち。住民との交流が希薄な中、ある地元の事業家が「バンディ」という伝統的な氷上スポーツのソマリア人チームの結成を思い付く。8ヶ月後に迫る世界選手権を目指して特訓が始まる中、若者たちはやがて祖国での過酷な体験や異国での孤独感について胸の内を明かす。果たして彼らはバンディを通じてスウェーデンに居場所を見つけることができるのか―。
混迷の極みを増し、解決への糸口が全くつかめないシリア危機。本作は現地の活動家や市民ジャーナリストたちから寄せられた約100時間にもおよぶ映像素材や、政府軍から離脱した将校などから新たに集められた証言等から構成されたシリア危機の全貌を検証するドキュメンタリーである。アラブの春から約5年間の紛争を包括的に捉え、その救いのない身を焦がされるような現状への理解と助けを世界へ訴える衝撃作。叫び声を上げるシリアに対し、私たちには何ができるのか―。
シリアの街アレッポは今日もまた昼夜を問わず爆撃が続く。そこには人々が逃げ惑う中、誰よりも早く瓦礫の中から生存者を救うため、爆撃地に向かう男たち「ホワイト・ヘルメット」の姿が。戦闘機が再び攻撃を仕掛けて来るかもしれない中、人々の命を救おうとする男たち。だが彼らにも守るべき家族がいる。自らの命を懸け、家族を危険にさらしてまで、そこに留まるべきか否か―。本作は筆舌に尽くしがたい苛烈な戦闘地で人々が見せる勇気と他者に対する人間愛を描く。
戦禍のシリアを逃れフィンランドにたどりついたカーリドは難民申請が却下され、強制送還されることに。収容施設を逃げ出し、路上生活を送る中で差別や暴力に晒されるカーリド。ある日、レストランを営むヴィクストロムに助けられ、店員として働くことに…。前作に引き続き、難民との出会いをテーマにした巨匠カウリスマキ監督が、独特のユーモアと弱者への温かいまなざしで今日の難民問題に一石を投じる。
ミュンヘンの高級住宅地に暮らすハルトマン一家は裕福な4人家族。最近、教師を引退した妻アンジェリカは、医師の夫リチャードの意志に反して、家に難民を受け入れることに決める。かくして、ハルトマン家へやって来た難民申請中のナイジェリア青年ディアロ。彼はすぐに家族と仲良くなるが、一家と共に偏見やテロの嫌疑など思わぬ試練に直面することに。 積極的な難民受け入れ国であるドイツを舞台に、人と人との絆を描く笑いと涙の感動作。
※応募と当落メールはでは旧題「ウェルカム トゥ ジャーマニー(仮)」を使用しております。
2011年、米軍撤退後のイラク中部の町、ジャローラで救急医療の看護師として働くノリ。「死の三角地帯」と呼ばれる地域の病院で日々負傷者が運ばれてくる中、懸命に看護に当たるノリはカメラで日常を記録する。2014年、やがてジャローラが武装組織ISに侵攻され、病院での業務もままならない危険な状況になると、彼は家族を連れて町を脱出する決断を下す。一人の看護師が記録した激動の日々から紡ぎ出されたイラクの現状をまざまざと映し出す衝撃のドキュメンタリー。
このドキュメンタリーは1冊の学習用ノートの発見から始まった。ノートには中央アフリカ共和国の戦乱の中でコンゴの傭兵により暴行を受けた約300人もの女性や少女、そして男たちの証言が記されていた。レイプによって妊娠しその子どもを育てる女性、膝に銃弾を受け足が不自由になった少女―そして迫り来る新たな内戦。年月がたっても癒えない傷や記憶に苦しむ人々を7年に渡って撮影を続けた女性監督による渾身のドキュメンタリー。
シリアの内戦は7年目に突入し、戦禍を逃れ周辺国へ避難する人々は後を絶たない。本作はシリア難民にとって最大の難民キャンプ、ヨルダンのザータリ・キャンプにたどりついた家族と、人道支援機関やボランティア団体などの様々な関係者等の視点からキャンプでの生活に密着する。パン屋を営む男性、赤ん坊の誕生を祝う家族、子どもたちのためにテコンドー道場を開設する支援者。「春になったら故郷に帰りたい…」そう語る人々の願いは叶うのか?。