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【監督より一言】『ボーダー』アレッシオ・クレモニーニ監督
監督より一言
「私はイタリア人ですが、常にシリアを身近に感じてきました。イタリアとシリアは無関係のように思えて実は、イタリアの首都ローマとシリアの首都ダマスカスが飛行機で数時間の場所に位置することや、シリアの都市にはローマ帝国の遺跡が数々残されていること、そしてそうした遺跡がときにシリア難民の避難所として利用されること、さらに中世時代にはシリア出身の教皇が存在したことなど、実はイタリアとシリアはとても関係が深いのです。
映画というものは飛行機のように知らない世界に連れて行ってくれたり、知られざる悲劇を見せてくれたりするものだと思います。
ニカブを羽織る二人の若いシリア人の女性。二人が祖国を逃れトルコに向かった理由はその内一人の夫がシリア政府軍から脱走し自由シリア軍へ加入したこと。この二人の物語を知ったとき、彼女たちの話は世界に伝えるべきだと思いました。そしてこの「飛行機」に乗ることでまさに、近年で最も深刻な人道的危機の一つ、シリア危機を身近に感じてもらうことが出来ると確信しました。」
アレッシオ・クレモニーニ監督
1973年6月25日、イタリア、ローマ生まれ。ローマ在住。
エットレ・スコラの「星降る夜のリストランテ」( 'La Cena')で副監督を、そして1997年のベネチア映画祭で上映された「マルタ」('Marta')ではカミラ・コスタンゾと共同監督を務めた。
ほかにはダーチャ・マライーニの 小説「声」('Voci')を原作とした同名の映画では脚本を書き、テレビ映画の'Una famiglia per caso' と'La note breve'でカミラ・コスタンゾと共に脚本・共同監督を務めた。そしてサヴェリオ・コスタンゾと共同で脚本を書いた映画 'Private' はロカルノ国際映画祭で金豹賞(グランプリ)を受賞。
『ボーダー~戦火のシリアを逃れて~』について