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【作品紹介】ナイルのくちづけ
『ナイルのくちづけ』とはスーダンの首都ハルツームで青ナイルと白ナイルが合流することを「歴史で最も長いキス」と表すことからこの作品名がつけられました。
これは、分裂後も切り離せないスーダンと南スーダンの関係を象徴しています。
この作品はそんな詩情溢れるハルツームが舞台です。
国家の分裂。そんな歴史的な瞬間に立ち会うことになった若者たち。国の将来を憂いながら、求めているのは愛、家族の幸せ、そして自由。
変わり行く祖国は若い彼らの目にどう映るのでしょうか...
変容するスーダンを詠った詩とナイル川の流れが寄り添うように物語は進みます。
その「Poem of the Nile（ナイルの詩）」の一部をご紹介いたします。
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スーダンよ
ここはアフリカ最大の広さを誇る地
別々に流れる青ナイルと白ナイルは
やがてハルツームで合流する
それは"ナイルのくちづけ"の場所
存在が揺らいでいる
私たちは誰なのか？
アラブ人？
アフリカ人？
北と南のはざ間に
その姿は消えた
昔の友はもういない
人には誇りが必要だが
国境はいらない
国の将来を決めるのはナイルなのだから
ナイルは恥ずべき過去を忘れない
しかしナイルは沈黙する
永遠に...
いつの時代も子どもたちはナイルの川辺で遊ぶ
平和を待ち望みながら
（from"Poem of the Nile" by Al-Saddiq Al-Raddi）
All Photo © Katerine Giguère
『ナイルのくちづけ』
アレクサンドラ・シコット・レヴェスク監督
カナダ / 2013年 / 75分 / ドキュメンタリー
日本初上映
